Clear キャラ別感想

オススメ度:★★★★★ / キャラ:★★★★☆ / シナリオ:★★★★★



プレイした順番にダラダラ書いてます。
無駄なことばかりで、実質、感想らしいことを言っているのは半分もないかも…。

*以下、色々ネタバレしてます。


表で書いたことをいきなりひっくり返すのもどうかと思うのですが、
本作はわりと駄作の部類に入る作品でもあると思います(笑)
レビューの最後に「面白さを読み手の側で発掘して楽しめる作品」と書きましたが、
逆に言えば「面白さを発見してあげないと楽しめない」作品でもあるわけです。

ということを、以下の個別感想を書いている間に思いました。
あれ? 実はそんな面白いストーリーでもなかったんだな、と。
意外に語りたいことがなかったというか…。
主人公の奇抜な設定が全ての作品だった…、のかもしれません。


無月

“優しさって何だっけ?”という話。
にしか思えなかったんだけど、他の方の感想を読んでいると
どうも最初に攻略したのが失敗だったみたいですね。
本当はもうちょっと深い意味があったらしい。
物語をまとめる大事なシナリオだったらしいけど、よくわかりませんでした。
まだまだ先は長いもんで、「この先読んでたら分かるやろ」
「どうせ大事なトコはTRUEシナリオで…」くらいにしか
思ってなかったです(結局TRUEシナリオなんてなかったし…orz)。
それに無月、そんなに好きじゃなかったしなぁ(笑)
最後の最後まで「水泳部の子のほうがよかったなぁ」と思ってた時点で、
根本的に主人公とシンクロできてなくて終わってました。

まあ、少しは真面目なことも書いておくと、優しさについてですが、
つらいときに「がんばれ」と励ますのと、「少し休もうか」と甘い言葉をかけるのと、
どっちが本当の優しさなんだろうか、というような興味深いテーマは出てきたものの、
結局、作者なりの答えは出てきませんでした。
というのも、無月や主人公はそのことについてたいした行動を起こしてなくて、
水泳部の子が自分で「やっぱ水泳が一番や」と気がついただけですからね。
「ほっとくのが一番」てことなのかもしれませんが…。


ののか

無月シナリオと同じく「いまひとつな展開だったなぁ」というのが正直な感想です。

最大の失敗はシナリオの肝になる“ののか作の絵本”が下手だったことですね。
絵本作りは初めて。素人作品ですよー。
と前フリはあるものの、やっぱり内容がマズイと泣けません。
本来なら、ののかが去ったあとに残された絵本が、
心の欠けた主人公への強烈なメッセージになっていないといけないんです。
でも、実際はひょうしぬけするような薄い内容でした。
色んな世界をみた少年が最終的に“なぜ元の世界を選ぶのか”という、動機の部分が言えていません。

作者がののかシナリオで言いたかったことの答えが、
集約されたモノになっていれば良かったと思うのですが…。
もし、絵本にシナリオの答えがあったなら、一番泣ける話になっていたかもしれません。

ただ単に、彼女(ののか)がいなくなって悲しい。んで泣いた。
という、普通過ぎる結末にしかなっていなかったのが残念でしたね。

ひょっとすると、絵本の絵が(素人が書いた設定にしては)上手すぎたのかもしれません。
わざと下手な感じにしとけば、同じ文章と内容でももう少し素朴に感じられたのかも。


春乃

心を失ったもの同士のぶきっちょな恋愛ストーリーです。
幽霊が見えることや心の一部が欠けていることなど、
主人公の設定を積極的に使った話の展開に興味をひかれました。
春乃のシナリオ辺りから、面白いと感じるようになってきましたね。
個人的にポニーテールが好きってのも大きかったりしますが…(笑)

まあ、キャラがなんとなく好きってだけで、
そこそこ集中して読めるのがエロゲークオリティだと思います。
表紙が萌え絵だと“人間失格”が売れるのと同じ原理ですね。きっと。

ただ、内容的には一番くだらないシナリオだったかもしれません。
春乃シナリオは、主人公の母親へのこだわりが1つのテーマになっているのですが、
母親への電話を主人公が怖気づいて先延ばししているうちに、
とうの母親が事故死してしまいます。
こんな馬鹿げたストーリーの展開は、読む側からしたら無駄もいいところです。

「結局、母親とは話さんのかい!」と、プレイ中に疲れた記憶もあったりなかったり。
無月シナリオもそうでしたが、話題をふるだけふっといて答えは出さず、
という腰砕けなパターンが目につきます。


紗由

本作の中では頭一つ抜けている印象の良シナリオ。だと思います。
このシナリオだけは主人公の涙に納得できたし、素直に共感できました。

吸血鬼の主人公が、
自分と似た境遇の紗由と出会うことで徐々に心を取り戻していくストーリーです。
読んでいると、今までの主人公なら絶対に言わないようなことを言ったり、
やらないような行動をとったり。紗由との交流を通じて、
人間らしい心を取り戻していく過程が丁寧に描かれています。
心を取り戻しつつある主人公は、
不幸な状況をあっけらかんと受け入れる紗由を歯がゆく思うようになるワケですが…。
いいですよね。すごく共感できる流れでした。

一ヶ所だけ「あれ?」と思ったのは、紗由のネコ耳がばれるシーンです。
ネコ耳型のカチューシャの下から“ネコ耳っぽいもの”が出てきたとして、
事情を知らない周囲の人がすぐさまホンモノだと気づいてしまうのは変ですよね。
ぼくが傍観者なら「芸が細かいなぁ」とムダに感心するところです。


美姫

実は美姫も吸血鬼だったことが分かる話。
彼女がボランティア活動に熱心だった理由は、
事実が露見したときに村八分にされないための予防線であったことが分かる話でもあります。

ボランティア部という、謎すぎる部活動に大きな期待をよせていたのですが、
知ってしまえば何でもない理由だったわけで、ぼくとしてはこれがかなり残念でした。
「なんだ、そんな理由か」と。

意外な新事実が出てくると思ったから楽しみにしてたのになぁ。
わざわざ一番最後まで取っておかなければよかったと後悔しました。





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