カード・オブ・デスティニー

オススメ度:★☆☆☆☆ / ゲーム性:★★☆☆☆ / キャラ:★★☆☆☆ / シナリオ:★★★☆☆



セーブを忘れた状態で長時間プレイしていた末のゲームオーバー、
という最悪の事態に陥って以来、やる気を失い、長らく封印していた本作ですが、
もったいないので、再プレイしてみました。結果は予想通り面白くなかったです。
やっぱりエロゲーは、ノベル以外に手を出さないほうが無難なのでしょうか。


モンスターが手抜き

ゲームを開始して間もなく、本作のRPGパートに触れることになるのですが、
最初のダンジョンを抜けるまでに「これはまずいぞ」と思い始めました。
戦闘が面白くないんですよ。
エロゲーなので、もとから期待薄だったのですが、それ以上にダメでした。
戦闘中の画面効果が通常攻撃の斬撃すらないことと、最初に遭遇した敵が「ウルフ」だったことですか(笑)
いくらなんでも「ウルフ」はないだろうと思いました。
だって、そのまんまじゃないですか。
しかも、出てくる敵はウルフばっかりです。
いや、先に進めばもちろん他にも敵は出てくるんですけどね。
どれもこれも適当なネーミングとありきたりなグラフィックで、モンスターを考えるのに時間をかけてないのが丸分かりです。

「RPGツクール」というゲームがあります。
小さい頃、このゲームでRPGを作って遊んでいた僕の経験から言えば、本作を作った人たちは、ちょっと変です。
というのも、モンスターを考える作業に限らず、モノ作りをするときって、アイデアを出し合っている段階が一番楽しいはずなんです。

「オマエら素人と違って、こっちは仕事でやってるんだ」と言われればそれまでですが、
これはドラクエの産みの親の堀井雄二さんも言っていることなので、あながち的外れというわけでもないと思います。
あーしよう、こうしよう、と考えているときが一番楽しい。
ツライのは、考えたことを形にしていく段階だ、と。

形にする段階でつまづくのは理解できます。
でも、早々とアイデアの段階でつまづいているようでは話になりません。
「モンスターは、もう少し考えたほうが良いんじゃない?」と、誰も疑問を口にはしなかったのでしょうか。
漫画でもゲームでも、敵が魅力的であることは、良作の条件の1つです。
その条件を一つ、鼻からまるごと捨てている本作の制作姿勢が、僕は気に入りません。


シナリオはまずまず

対立する二つの勢力があり、一周目は「善いほうの勢力」に、
二周目は「悪いほうの勢力」に、主人公はそれぞれ加担します。
三周目はどちらの味方もせずに「中立」の立場に立って孤軍奮闘します。

プレイしていく過程で次第に、一周目に加担した勢力は本当に善だったのか? 二周目のは本当に悪だったのか?
というテーマにつながる何かが見えてくるのですが…。
なんとか一本のルートにまとめることは出来なかったのでしょうか。
各勢力を渡り歩かせるだとか、考えれば方法はあったはずです。

プレイヤーの感情はリセットされませんが、主人公の感情は毎回リセットされます。
両者の齟齬を埋め合わせるために、三周目で奇跡的な展開を作って無理をしていたのが悔やまれます。
クリアするたびに、RPGをレベル1からプレイし直すのは疲れますし、
やはり長くても一本道で行けるように話をまとめるべきでした。


総評 ★★☆☆☆

本作、実は一ヶ所だけすごく面白かった部分があります。
最初のほうにある、妹と風呂に入るイベントです。
10回まで好きな場所をクリックして、妹の体を洗えるという親父くさいスケベなサービスで、
当然のことながら、○○○(察してください)のあたりを集中的に洗っていると、
「もうこれ以上やられたら……」みたいなことを言うんですよ妹が。
それで僕は「おっ、妹とHとはこのゲーム、なかなか出来るな」
なんて思いながらクリックし続けるのですが、結局Hシーンはありません。
これ以上の肩透かしはなかったですね。完全にしてやられました。
自分のスケベ心を見透かされた気がして、それが無性に可笑しかったです。

変な話ですが、このイベントが一番プレイヤーのモチベーションを上げたんじゃないでしょうか。
よし早く妹攻略するぞっ、と(笑)
僕も半分意地になっていましたから。
続けてもさほど面白くないし、時間の無駄だろうけれど、ここでやめたら何のために……、と。

普通のADVでは絶対にないことです。
RPGは頭の中を真っ白にしていてもやれますから。
そこが怖いです。





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