確かにキミはココにいた

オススメ度:★★★☆☆ / キャラ:★★★☆☆ / シナリオ:★★★☆☆



本作は、ネットゲーム内では有名人だが、
現実では元ひきこもりのパッとしない主人公の男(玖珂 響)が、
ネット友達(ケン)を探すために現実世界で奔走するという話です。
冷静に考えると病的な物語ですが、ゲーム全体の雰囲気が明るいので、
それほど痛い印象は受けませんでした。
割と短めのゲームで、意外な展開もなく、予想通りの結末で終わります。
休日に、のんびりと気楽にやれるゲームです。


ネットゲーの面白さ

面白いと思ったのは、オフ会です。
相手が来るまで、顔も声も、どんな服装なのかもわからないというのは、どんな気持ちなのでしょうか。
中途半端に、ゲームの中でだけお互いを知っているというのは、妙に気恥ずかしい気がします(笑)

ネット上での会話も面白いです。
顔文字が使われたり、「フフリ」「PK」「寝落ち」「ごめ」「ネカマ」
みたいなネットゲームの専門用語? も出てきます。
僕の知っているオンラインゲームの雰囲気と本当によく似ていました。
それにしても、レイコが「風俗嬢」という設定はいいですね。
思いもよらなかったのですが、でも、そう言われてみると、
現実でも「風俗嬢」がネットゲーをやっているかもしれないわけですよ。

本作の場合は、エロゲーだからお色気担当も必要だろう、という理由で入っただけかもしれません。
でも、こういうところにこそ、ネットゲーの面白さがあると思います。
意外な人がプレイしている、という。


美少女ゲームらしいオチ(ネタバレ)

ケンの正体は、美少女姉妹でした。
ただ、僕としては、もう少し冒険しても良かったんじゃないかなと思います。
誰でも思いついてしまうようなオチでは、驚きがないですから。
たとえば、お婆さんと、孫娘にするとか。
最初はお婆さんがゲームをやっていたのだけれど、
具合が悪くなって、途中から孫娘が入れ替わってやっていたとしたら、
けっこう意外な展開じゃないでしょうか?
美少女ゲーム的には。
最後は孫娘で女の子が出てくるから、婆さんが出てきても、
プレイヤーを裏切ることにはならないと思うし。
あぁ、何か、無茶苦茶言ってるなぁ…orz


総評 C

今回の評価は、絵買いだったことが大きいです。
絵が目的なら、まあ、間違いないですな。
絵買いする人の気持ちが分かった気がします。
おかげさまで、久々のまったりプレイを堪能させていただきました。

ただ、一つだけ残念なのは、本作に普通にネットゲームを楽しんでいるだけの、
平凡な人物が出てこなかったことです。
たとえば、TVでも映画でも何でも良いのですが、身長の低い人しか画面に出てこなかったら、
そこに出ている人たちの身長の低さは伝わりにくくなります。
だったらどうすれば良いのかと言えば、その中に一人でも背の高いヤツを入れてやればいい。
そうすれば、周りの身長の低さが見ている人に伝わりやすくなると思います。
ようは「こみっくパーティの瑞樹」みたいなスタンスのキャラを出したほうが、
誤魔化しがなかったんじゃないかということです。

本作のズルいところは、変な人物しか登場させないことで、
常識はずれな話の流れをぼかして書いているところです。
ケンを探すヒビキというプレイヤーがネット上で非難されないのはどう考えてもおかしいです。
いくらヒビキがスタープレイヤーでも、無理やり相手の現実に干渉しようとするのはマナー違反ですから。
ヒロインのやっていることも、美人だから見れるだけであって、
そうでなかったらかなり病的な行動に思えるでしょう。
まあ、この辺は、ギャルゲーらしいと言えばそうなのかもしれませんが……。
結果オーライですし。

何にせよ、ある程度ネットゲームに理解のある人でないと、気持ちよくプレイするのは難しいと思います。
本作でやっていることの意味が、どこまでネットゲームを知らない人に理解できるのでしょうか?
正直、僕は疑問です。
ここまでネットゲームに踏み込んだ作品を出すのは、時期尚早だったのかな、とさえ思ってしまいます。
そういう意味でも、どうせ出すならガチンコの誤魔化しなしで書いてみて欲しかったなと思いますけどね。

そうしたら、さらに一般受けしない作品になったかもしれませんが(笑)





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