この設定からスタートして、「どうすればより笑えるか、より面白くなるか」と、
ひたすらそれのみに突っ走った快作です。


思い切りのよさがいい

潜入先の生徒が着ているセーラー服を、軍部のお偉方が取り囲み、
「一見しただけではわからんが、機能的で危険な装束ということか！」と、
アホすぎる発言をしてみたり（軍の人たちは、潜入先が学校だと思ってません）
主人公たちの国の国旗が、日の丸に落書きしたようなアホなデザインだったり。
あげていくとキリがないですね。
全編を通じて悪ノリというか、無駄に芸が細かいところが面白いです。
格ゲーをパロったカットインなど、１回きりしか使わない演出のためにも
手間ヒマを惜しまない制作姿勢には頭が下がります。

毎話挿入される次回予告も、２周目はネタバレを含んだ別バージョンに変わっているのですが、
これって別に必要なことではないし、ストーリーにはなんの影響もないオマケです。
でもそれが面白い。２周目の倦怠感、消化試合的な雰囲気を和ませてくれます。
計算してやっているのか、単なる思いつきをなのかは分かりません。
でも、これで２周目以降の回収作業が少し楽しく感じられたのは確かです。


総評 Ｂ

短いけれど、読みやすくて面白い。ひたすら面白いだけの作品。
面白いという、その一点のみで十分に作品として成立していると思いました。
冷静にふり返ってみると、何度かトーンダウンする場面もあった気はしますが、
テキストが読みやすいので、気がついたらコンプしていたという感じです。

話の展開が強引なことも多いですが、
それも含めて「笑い」だと思えれば悪くない作品です。