ナギサの 個別感想ぺーじ

オススメ度:★★★★☆ / キャラ:★★★★☆ / シナリオ:★★★★☆



シナリオ重視の作品じゃないと思うので(違ったらすいません。。)
個別シナリオは評価の対象外にしてます。

攻略順にダラダラ書いてみました。

※というわけで、以下ネタバレ↓↓


あおい

まず誰から攻略しようかと考えたところ、

夏生   → 何かめんどくさそう。
千果   → 賑やかすぎてしんどそう。
水守先輩 → 下ネタはもうお腹いっぱい

という独断と偏見と気分により、ヒロイン第一号にはあおいを選択。
見るからに楽しそうですよね。あおいは。
男勝りだけど、実はいちばん女の子っぽいっていう設定は鉄板だし、
シナリオの展開も読みやすいし。
ひとまず安牌。ここを押さえて流れに乗る作戦です。

で、結論からいうとこれがズバリ的中しました。
途中「お嬢様になるための特訓」なんて意味の分からん展開になり
焦りましたが、最後はさすがです。

「私の中の宿題」に付き合って欲しいと誘われて2人で花火をする場面。
あおいは花火を「今月中には絶対やりたかった」と言うのですが、
理由をきくと「夏休みの宿題は八月三十一日まででしょ」なんて、
ナイスな答えが返ってくるわけです。
思わずニヤリとしてしまう、オシャレなやりとりでした。
こういうセリフまわしは大好きです。

最後の最後で、ムダだと思っていた特訓の成果が発揮されるオチも好きです。
前向きで、ポジティブで、元気になれる結末。
予定調和が絶対ダメってことはありません。
結局は内容次第なんですよね。


千果

あおいのシナリオは、何だかんだ言っても女の子女の子していました。
なので、ここらで一発アホな話を読みたいなぁと思って千果を選んだので、
正直、読み始めはあんまり乗り気じゃなかったです。
(まさか、ここまで暗い話だとは思ってなかったので)

ただ、内容的にはいちばん良かった気がします。
アテが外れて惰性で読み始めたのが、途中から一転、
集中して一気に読みきってしまいました。
ヒロインの中では、千果がいちばん嫌いかなぁなんて感じだったのが、
終わってみれば、かなりの好印象にかわりました。

千果の記憶が戻ったあとに、アイス屋のまえでジャンケンする場面が好きですね。
以前はボロボロに負けこんでいた主人公が、今度は逆に連戦連勝。
それが実は、記憶喪失中のチカに教えてもらった必勝の策で、
記憶の戻った千果はそのことを覚えていないんだけど、でも主人公はちゃんと覚えている。

優しい結末です。
主人公が彼女を大切にしていることが伝わってきます。
(こういう風な感じかたをする作品って案外少ないような…)

エロゲーは共感させることを重視した作品が多いけど、
本作(というか千果シナリオ限定?)みたいに、
客観的に納得させるような文章を書くことも大切だと思いました。



夏生

千果シナリオで味をしめて、ドラマティックな物語をもう少し読みたい気分に
なっていたので、3人目には正ヒロインの夏生を迷わず選択。
予想通りに力の入ったシナリオで楽しめました。

印象に残ったのは告白のシーン。
ベタだけど、ビジュアルと連動させた仕掛けが上手いですね。
まずは夏生が壁にこう書きます。
(ずっといっしょにいてくれる? 夏生)
続いて主人公も返事を書くのですが、問題はその直前。
夏生からのメッセージを読んだプレイヤーは、
おそらく主人公より早く、心の中で返事をしてしまうはずです。
(もちろんだよ。 俺) みたいな感じで。
読み手に一度、心の中で告白させるところが共感のポイントですね。

他にも、浜辺を歩きながら主人公が、
(こんな狭い日本でも、自分の足で歩くと果てしなく広く感じるよな…)
なんて、ふと考える場面があります。
別にすごいことも特別なことも言っていません。

でも、自分が同じようなシチュエーションに置かれたとしたら、
こういうことは思っていてくれよ、俺。ってけっこう本気で思います。
(感傷的な気持ちは大切にしたいほうなので。)

あ、そうそう。
夏生シナリオで一ヶ所だけ文句いいたいことがあったんです。
2人でいけるところまで、歩きで旅するときの話です。
日付がでますよね。
8月32日、8月33日、って。
2人の夏休みは、まだ、終わらない。
ってな感じで、そのアイデア自体はすごく好きなんだけど、
日付の隣に(9月1日)とかね。もう何やってんだと。
もうちょい空気読めと。
そんなことくらい、プレイヤーはみんな分かってるんだからさ。


水守先輩

ファーストコンタクトが「全裸」ってのが面白い。
あからさまなエロ担当っぷりですよ。
シナリオもぐだぐだです。
前フリもなく登場する黒服君がチープ過ぎます。

水守先輩の境遇は主人公に近いんだけど、
その設定がいまひとつシナリオに活かされていない気がしました。
先輩の両親が出てこなかったのも残念です。
もっといろいろ書けたんじゃないかと思います。
(とか偉そうなことは言うけど、具体的には何にも言えません。ごめんなさい。)

ところでエロ担当って、色んなゲームでありますけど妙な制度ですよね。
我々エロゲーマーは、お気に入りキャラの「えちい」イベントだからこそ
「たくさん。そして、何度も。」見たいわけです。(そうですよね?)
それをアダルティな水守先輩1人に限定されてしまっては本末転倒。
「ょぅι゛ょ」的(この"的"は重要)なキャラが好きな人はどうしろと。

まあ、委員長がお気に入りだったぼくの場合、
そもそも……、な話だったりもするのですが。


いいんちょ

かつてこれほどアーバンな委員長キャラがいただろうか、と。
夏生たちが着てるクラシックなセーラー服との対比で、
委員長のブレザー姿がやたらとオサレに見えました。

主人公が、途中で一回、都会の学校に帰るイベントがありますが、
あそこで「都会の学校に残る」選択肢があったら面白かったのになぁと思います。
(もちろん選択肢はクリア後に追加で)。

――以下妄想。
都会の学校に戻った主人公は、また成績に追われる日々をすごします。
でも委員長と付き合うことになって、
学校が以前より少し楽しくなっていました。
で、1年後…。
メガネをかけた夏生が編入してきて……。
ヘタレ主人公、誕生。みたいな。
――妄想終わり。

君が望む永遠のパロディみたいな感じがいいですね。

タイトルは「君が望むナギサの」でどうでしょう?
同人ゲームを出すときはご一報を。買います。

まぁ冗談はさておき、委員長シナリオは是非是非是非是非読みたかったです。
どんなカタチでも良かったので。
やっぱり、いちばん好きなキャラが攻略できないと楽しさ半減ですから。


おまけ感想 〜コットンの弱点〜

すいません。今まで散々ぐだぐだな感想を垂れ流してたのに、
この期におよんで、真面目な話が始まろうとしています。
(メインの感想に書くか迷ってて、結局消しちゃった内容です)
(でもやっぱり、少しだけ言いたかったので書きました)

だらだら書いてもしょうがないので、ズバっと言いますね。
コットンの弱点は長文とシナリオ構成にあると思いました。

コットンの作品は本作に限らず、
終わってみると、ある一文、登場人物のある一言だけが印象に残ってたりします。
今回でいうと、先輩のシナリオで出てくる「大切なものは目に見えない」とか。
主人公にとっての越えられない壁「400人中の201番」とか。
一瞬一瞬にキラリと光るワードは多いんです。
でも、言葉を積み重ねることでジーンと心に響いてくるような、
流れで読ませる力が足りないんじゃないかな、と。

日常のちょっとした描写は上手いのに、その上手さが持続しません。
RESは長文の弱点を補うためのシステムではないはずです。

最後に厳しいことを言いました。
でも、コットンにはもっとがんばって欲しいんです。
何だかんだで応援してる数少ないメーカーさんなので。


イベント別感想はコチラへ(ネタバレあり)





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