沙耶の唄

オススメ度:★★★★☆ / キャラ:★★★★☆ / シナリオ:★★★★★



色褪せた日常の風景。爛れた街並み。
ゲームの雰囲気と画風が一体で、実際よりも何割か増しで良く見えました。


逆の面白さ

グラフィック(見た目)はともかく、
外に出したら恥ずかしいようなベタベタの萌えがほとんど見当たらないのが特徴です。
変に人懐っこいキャラクターはおらず、他人同士の距離感がリアルに描かれています。
べつにリアルなのが偉いとは思いませんが、こういう作風は希少なので新鮮ではありました。

シナリオも風変わりな設定で、非常に興味を惹かれる内容です。
事故の後遺症で五感に異常をきたしてしまった主人公。
目に映るもの全てが内蔵を塗りたくったようにグロテスクで、食べ物からは吐き気を催す臭い、見た目。
友人もみんなドロドロの奇怪な生物にしか見えなくなってしまうのですが…。
全ての感覚が壊れ、絶望する主人公の前に沙耶という美少女が現われます。

「逆」の状況を考えさせられるところが本作の面白さですね。
今まで普通だった物が、おかしなモノとして認識されるようになったのなら、
「じゃあ、沙耶って一体何なんだろう?」と。

エロゲーには「世界の在り方」みたいなものを表現した哲学っぽい作品はわりと多いのですが、
本作ほど分かりやすくビジュアルと絡めて表現できているものはなかったように思います。


総評 B

どちらかと言えばアイデア勝負の作品で終盤のシナリオはいまひとつ。
でも、ゆっくり読んでも10時間かからない程度に短くまとまっているので、
設定の面白さだけで十分読めてしまいました。

短いながらに、ニトロの底力が垣間見られた一本です。





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