興味を引かれる導入だったので、あっさり引き込まれましたね。
「次はどうなるんだろう？」の一念で、ひたすら読み続けました。
未知の領域に踏み入る期待と不安に、冒険心をくすぐられます。
舞台が、人智を超えたチカラで封鎖された旧校舎、
というのもあって、かなりおいしい設定だなと思いました。


ところが…

ゲームを進めていくと残念なことに、どんどんダレてきました。
というのも、カードの指示というのが、単なるエロシーンの演出になってしまっているからです。
序盤は、キスや、胸揉んだりする程度。
中盤以降は、縄で吊るし上げたり浣腸したりと、完全な陵辱になるのですが、
見慣れてくるとすぐに何とも思わなくなりました。
これらの行為は仲間内でやり合うので興味深くはありますが、
やはりインパクトがあるのは最初だけで、こういう妙な状況でも慣れれば普通に眠気を催します。
ヒロインが犯されてるのを見ながら大欠伸、なんてしょっちゅうでした。


空気の読めない女物理教師

ヒロインの一人に物理教師のお姉さんがいます。
この人のおかげで、ゲームの雰囲気が随分悪くなりました。
旧校舎で起こっている現象が、生徒達(他のキャラクター達)の間では、
超常現象、霊の仕業、という意見で一致をみているのに、この人は「霊なんているわけがない」と主張。
どうするのかと思えば、"温度計で各部屋の温度を測るだけ"というしょうもない実験を敢行します。
それで、思うような結果が出ないことに腹を立ててヒスを起こすのですが、これは何の演出なのでしょう。
温度が低いと霊がいる？　ん？？　意味が分かりません。
もちろん言いたいことは分かりますが…。
シリアスな雰囲気の中で、
突然、「超常現象を認めない物理教師」って…、そりゃあギャグにしかなりませんよ。
生徒が落ち着いて行動している時に教師が取り乱しているのを見ると、
恐怖心を煽られるよりもむしろ冷めてしまいました。
トラブルが起こったとき、周囲に自分以上にパニック状態になっている人がいると、
不思議に自分は冷静でいられてしまうのと同じ感覚です。


総評 Ｄ

コンプまで考慮に入れると、ほとんどＥですね。
既読部分と未読部分が混ざっているので、
二周目以降は回を増すごとに作業色が濃くなってきますし、スキップ速度も遅いです。
救いは、ちゃんと話がまとまっており、後半にも不自然な流れがなかったこと。
それだけでも読後の印象はかなり良くなります。

僕は内容が面白いかどうかを第一に考えているのでＤ評価にしましたが、
エロ重視で考えるなら普通にＣ以上いってもおかしくない完成度だと思います。
分かり易く言うと、"エロぃわりには話の面白い"作品になっています。
個人的には、中途半端なエロシーンは極力省いて、
ホラーをメインにしてもらえると嬉しかったのですが、
まあ、エロゲーなのでこれで正解だったような気もしています。